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アーユルヴェーダとは

アーユルヴェーダとは、サンスクリット語の「アーユス(Ayus|生命)」と「ヴェーダ(Veda|知識、学問、真理)」が合わさった言葉で、「生命の科学」といわれる、インド・スリランカにおける伝統医学です。

 

「私」が長生きするにはどうしたらよいのか。

「私」が健康であるにはどうしたらよいのか。

 

人々の関心は、常に「私」という個人の、身体の生理的な部分に目が向けられます。

 

本来のアーユルヴェーダとは、インドの伝統的な思想の根本にある「ヴェーダ」に含まれる「知識」のひとつです。

ここでいう「知識」とは、単に表面上の技術や情報・作用というものを指しているのではなく、私たちを取り巻いているこの世界や自然の中において、私たちが生きていく上での「生命観」のようなものを意味します。

 

私たちは、心と身体がひとつとなってはじめて生命として存在しますが、これらは、周囲の環境や自然との関わりから、大きく影響を受けています。

私たちは、決して周囲の環境から切り離されたひとつの「個」としての生命ではなく、世界や自然の一部として生かされ存在しています。

ですから、私たちは個人の在り様にのみ関心を向けるのではなく、周囲の環境や自然との調和・共生についても常に意識して考えていく必要があります。

 

アーユルヴェーダは、このような「生命観」を基にした、私たちが心と身体の調和のとれた、そして周囲の環境や自然とも調和・共生しながら、本来の意味で健康的で幸せな人生を過ごす方法について教えてくれる「生命の科学」です。

 

 

トリドーシャ理論

アーユルヴェーダでは、ヴァータ(空元素・風元素)・ピッタ(火元素・水元素)・カパ(水元素・地元素)という、身体の生理機能に働きかける力「ドーシャ」があるとされます。

 

これらのドーシャは「病素」という意味もあり、正常な状態では身体の健康を維持し、生理機能の活動に必要なエネルギーとなりますが、一方でその力が憎悪すると、病気を生み出す原因にもなるとされます。

 

アーユルヴェーダ医学では、カパが憎悪すると粘液を、ピッタが憎悪すると胆汁を、ヴァータが憎悪するとガスを発生させると考えられています。

これにより、カパの憎悪は気管支系疾患やアレルギー性鼻炎/泌尿器系疾患/肥満や糖尿病/関節炎等を、ピッタの憎悪は消化器系疾患や血液性疾患/アトピー性皮膚病/胆石や胆嚢疾患等を、ヴァータの憎悪は呼吸器系疾患/頭痛・腰痛・神経痛/精神疾患等を引き起こす原因となると、アーユルヴェーダでは考えます。

 

身体における全ての生理現象の基にはこれらのドーシャの働きがあるとされ、毎日の健康状態や季節によって移り変わる体調の変化、また一人ひとりによって異なる体質の差など、これらのドーシャのバランスによるものとされます。

アーユルヴェーダでは健康を「ドーシャのバランスが取れている状態」と位置付け、そのバランスが崩れると病気の状態になると考えています。

 

ドーシャは「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」の3つに分けられ、全ての人はこれら3つのドーシャを全て持ちつつ、そのバランスは人それぞれに異なります。

どのドーシャが増えやすい、つまり「憎悪」しやすいかによって、体調のバランスを崩しやすい傾向もわかり、そのためドーシャは「体質」という定義としても考えられています。

 

これらのドーシャについての考え方は、3つのドーシャに基づくものから、サンスクリット語で「3」を表す「トリ」を加え、「トリドーシャ」と呼ばれています。

 

 

プラクリティ

人それぞれに異なるドーシャのバランスを、アーユルヴェーダでは「プラクリティ」と呼んでいます。

プラクリティとは、生まれながらのドーシャのバランスを指し、このバランスは父母の受精の段階で定められるといわれ、生涯にわたり変わるものではないものと考えられています。

このプラクリティの考え方は、人それぞれにおける最適な状態、つまり健康な状態もまた人それぞれに異なることを意味し、その意味でプラクリティとは「その人自身にとっての本質/本来の体質」といわれます。

 

その一方、ライフスタイルや生活環境、年齢、季節、ストレスなどの要因から、実際の身体のドーシャのバランスは様々な影響を受け、本来の体質とは異なる状態になっていきます。

このように、本来の体質とは異なる状態になっていることを「ヴィクリティ」と呼び、アーユルヴェーダではそうした状態から本来の体質へ、つまり「プラクリティ」に近づける治療を行っていきます。

 

 

ヴァータについて

ヴァータは、風・運動のエネルギーであり、身体を構成する五大元素では「空元素」と「風元素」からなり、 軽・冷・乾・粗・動といった性質を持ちます。

身体においては、肉体の運動や感覚の刺激・神経の伝達、心臓の拍動、細胞質や細胞膜内の全ての動き、 呼吸、筋肉や組織の働きを制御しています。

 

ヴァータ体質の人は、これらのヴァータの特徴や性質が心身に強く現れます。

 

ヴァータ体質の人の性格には、好奇心が強く機敏で活発、新しいことや変化にとんだ創造的な性格である反面、 一方で気まぐれで飽きっぽいというような側面がみられます。

また、身体的な特長としては、痩せ型で肩幅が狭く、腰も細い方が多いようです。

ヴァータの不規則・変動の性質から、極端に背が高い・低い等、体型がアンバランスになるケースもあるようです。

(ヴァータに適したスパイス①)

シナモン/Cinnamon

世界最古のスパイスの1つといわれています。40度前後でもっとも香りが高くなり、砂糖とも相性が良く甘味を引きたたせるのでお菓子作りに使われます。樹皮からとれる精油には殺菌効果・活性作用があり、化粧品にも使用されます。

(ヴァータに適したスパイス②)

ショウガ/Ginger

香辛料としてだけではなく食材としても食べられています。生薬としても用いられ、発散、健胃、保温、解熱、消炎、鎮吐など多くの薬効があるとされ、日本でも、生姜は身体を温めて、免疫力を高めるため、風邪の療法によく用いられています。

(ヴァータに適したスパイス③)

クミン/Cumin

インド料理に必須のスパイスのひとつで、ガラムマサラやチャツネを作る際にもよく使われます。健胃・消化促進・解毒・駆風などの効能があり、下痢や腹痛の際にはホールのまま料理に入れます。

 

 

ピッタについて

ピッタは、火・変換のエネルギーであり、身体を構成する五大元素では「火元素」と「水元素」からなり、 熱・鋭・流・変・液といった性質を持ちます。

身体においては、代謝・消化・吸収、熱を司り、免疫力やホルモン、神経系統や消化吸収における体内システムの化学変化もピッタの属性となります。

 

ピッタ体質の人は、ピッタの特徴や性質から、熱性と鋭性、そして知性が強く現れます。

 

ピッタ体質の人の性格は、情熱的でチャレンジ精神が強く、好奇心も旺盛です。

一方で、完璧主義者になりがちで、怒りっぽく、見栄っ張りなところもあります。

また、身体的には中肉中背で標準的な体型をしており、肌の色つやも良い方が多いようです。

ピッタの性質から、体温が高く、寒さには強いが暑さには弱く、汗をかきやすい体質です。

 

(ピッタに適したスパイス①)

コリアンダー/Coriander

別名「カメムシソウ」の名もあるとおり、独特の風味があるため、人によって好き嫌いが大きく分かれます。葉にはカロチンやビタミンが豊富に含まれており、胃腸のはたらきを促し、新陳代謝を活性させる作用があります。

(ピッタに適したスパイス②)

カルダモン/Cardamon

チャイの香りづけによく使われますが、料理や飲み物にあまり香りを立てると薬臭くなります。疲労回復や整腸作用があり、冷性で身体を冷やすはたらきもあります。油分を除く効果もあり、食事の後の口直しにも適しています。

(ピッタに適したスパイス③)

ターメリック/Turmeric

カレーの着色スパイスとしてよく使われます。健康食品としても注目され、ウコンを含む健康食品も多く販売されています。消化作用や新陳代謝の活性をよくする働きがあるともいわれ、体質改善や皮膚病にも用いられます。

 

 

カパについて

カパは、水・結合エネルギーであり、身体を構成する五大元素では「水元素」と「地元素」からなり、 重・冷・遅・油・緩といった性質を持ちます。

身体においては、肉体の構造や体力の維持、同化作用といった働きを司っています。

 

カパは身体における骨格・構造と同化システムにおいて、必要な潤滑油の働きを行うのと同時に、体細胞の繋がり維持する働きも行っています。

 

カファ体質の人は、物静かで落ち着いていて、忍耐強い性格で、慈愛に満ちて献身的でもあります。

一方で、おおざっぱ・鈍感、物事への執着心が強いといった面もあります。

身体的には、一般に体格がよく、体力・持久力にも優れていおり、重労働にも耐えられます。

太りやすい体質でもあり、運動不足から肥満になりがちです。

(カパに適したスパイス①)

フェヌグリーク/Fenugreek

マメ科の1年草の植物で、種子がスパイスとしてカレー粉などに利用されています。滋養強壮、栄養補給、食欲増進、解熱剤としても使われるほか、インドでは催乳作用を持っていると考えられ授乳期の女性が食べる習慣があります。

(カパに適したスパイス②)

ブラックペッパー/Black Pepper

胡椒は、熱帯性常緑つる性植物であり、その熟していない緑色の実を果皮ごと天日に乾したものが黒胡椒です。成分に含まれるピペリンによる抗菌・防腐・防虫作用が知られています。酵素活性作用があり、消化機能を刺激し便秘にも効果があります。

(カパに適したスパイス③)

レッドペッパー/Red Pepper

胡椒などの他の香辛料と同様、料理に辛みをつけるために使われるほか、健胃薬、凍瘡・凍傷の治療、育毛など薬としても利用されています。成分として含まれているカプサイシンは血行を促進し、身体を温める作用もあります。

 

 

インド、スリランカ伝統医学アーユルヴェーダの情報サイト|アーユルヴェーダライフ

ヨガ・アーユルヴェーダの普及促進・事業者間における連絡協議会「dhanvantari(ダンヴァンタリ)」

 

 

医療としてのアーユルヴェーダ
アーユルヴェーダ医療

医療としての観点からアーユルヴェーダをみてみると、その医学体系においては西洋医学と同じように、いつくかの分類にわけられます。

たとえば、西洋医学におけるいわゆる「内科」については、アーユルヴェーダでは「カーヤ・チキッツァー(Kaya Chikitsa)」と呼ばれる分類があります。

 

カーヤ・チキッツァーでは、内科学、診察・診断に関する知識があり、アーユルヴエーダでよく取り上げられる「脈診」など問診については、この分類に含まれ、脈の取り方、脈からの診断方法、脈診からわかる生理上の全て働き・身体の状態について等、実際の患者を診る際に求められる具体的な知識や技術についてが語られます。

 

外科である「シャーリャ・チキッツァー(Shalya Chikitsa)」においては、アーユルヴェーダにおける2大原典とされる「スシュルタ・サンヒター」に、その名が冠されている「スシュルタ」が有名です。

スシュルタは、数多くの外科手術の中で、凡そ500を超える手術器具を発明し、現在に繋がる西洋医学もその影響は強く受けていると考えられ、スシュルタは世界最古の外科医師といわれています。

 

またこの他にも、アーユルヴェーダには、小児科(Kaumarbhritya)、毒物学(Vrishya Tantra)、耳鼻咽喉科(Shalakya Tantra)、心理学・精神病学(Graha Chikitsa)、強壮医学(Rasayana Tantra)、強精学(Vajikara Tantra)、解剖学(Sharir Rachana)、生理学(Sharir Kriya)、婦人科(Stri Roga)、診断学(Nidana)といった分類の医学体系があります。

 

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